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「 恋の一雫 」
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注意!
前回同様「恋の一雫」の番外編です。
主役の2人がもう恋人同士なんで注意してください!

あとちょっと変態っぽいとこがありますけど(ってか変態さんがいるけど)…ご了承ください。





























俺は最近気づいたことがある。

 

 

 

 

 

ガタンゴトン…と規則的な音をさせて大きな箱が移動する。

所詮は電車というやつだ。

電車通学の雫は当然毎日それに乗って学校へ行き、それに乗って家へ帰る。


そんな日常的な風景にたびたび非日常的なことが起きる。

 


(いた…。)

 


菫は電車に乗っている雫の姿を見つける。

普通なら声をかけるのだが……如何せん俺の彼女は見てて飽きない。

何もないところでは転ぶし、透明なガラスに突っ込んでみたり、雨の日にマンホールの蓋で滑ってみたり……挙げたらキリがないくらい。


そんな性格の彼女を電車の中でとりあえず観察すること早数回。

 

高確率で起こることそれは……

 

 

(あぁ……また。)


雫の背後に少し歳がいった男性が立つ。

そしてそろり……とスカートの上に手を置き。円を描くように回し始める。

心なしか息遣いも荒くなってきた。

 

 

これは世間一般でいう……痴漢ってやつなんだろう。

 
普通ならきっと泣きそうになったり、離れたりなんらかのアクションを起こすのに…雫はそれをしない。

ただ普通にしている。




だから俺は少し意地悪でこんな質問をしてみたんだ。

 

 

 

 

 


「ねぇ、あれはさ。趣味なの?」

「へ?」

突然菫が雫に問いかける。

当然雫は全くなんのことがわからず頭の上にクエスチョンマークが飛ぶ。

 

「だからさ……よく電車でやってる(やられてる)あれ。趣味なの?」

「電車?」

「そう。乗ってるでしょ?」

「そう…だねぇ。電車には毎日乗ってるけど……何で知ってるの?」

「いや、今そこはいいんだよ。」

「…そうなの?」

「うん。」

「??」

よく意味のわからないまま雫は頷く。

そして雫は菫の言ってる意味について考えてみる。

 


電車でやってる趣味??

毎日電車に乗ってるけど……趣味と言えるようなことはやってな……


あ……あぁー!!

 


「で?どうなの?」

菫は再び問いかけると雫は嬉しそうな顔をして答えた。

「そう!趣味なの!!とってもおもしろいんだよ!!」

「……………………え?」

「なんていうのかな…ロマンが詰まってるっていうかね!!時には激しく時にはスリルもあり……もうやめられないの!!」

「………………」

「今度菫くんもどう!?きっと夢中になるよ!!」

「…………」


「菫くん??」

「い・いや……遠慮しとく。」

「そう??面白いのに。」

 

 

 

知らなかった……

俺の彼女ってそういう趣味だったのか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おまけ。

「ねー夕姫ちゃん!聞いて聞いて!!今日ね菫くんが私の趣味に興味持ってくれたの!!」

「趣味って……読書のこと?」

「そうなの!私毎朝電車で読んでるんだけど…それを菫くんが興味持ってくれてね!!聞いてきてくれたの!!」

「そっか~!しーちゃん好きだもんねー。本とか。しかもハードカバーなやつ。」

「うん!!だって面白いでしょ?」

「えー…あーーーうん。私はどっちかっていうと体動かすほうが好きだからなぁ~」

「そっかぁ…。また興味が出たら言ってね!おすすめ貸してあげるよ!」

「ありがとー。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


◆◆◆
本編更新せずに番外編ばっかですいません。
とりあえず雫ちゃんは胸おっきくて背が小さいのでよく痴漢されます。
でも雫は電車とかバスとかほぼ本読んでるのでされてることに気付きません(笑)
ちなみに運動神経ない彼女ですが…電車とか立ったままでも本は読めるという特技がある(笑)

菫くんは勘違いしたままですね。
多分そのうち誤解は解けますよ。うん(なんて無責任な)
 

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「恋の一雫」の番外編です。
番外編っていうか・・・・・・未来編?
違うのは菫くんと雫ちゃんがもう恋人同士っていう設定なだけです。
そこんとこ注意してください!!


















 

「トリック・オア・トリート?」

「へ?」

 

 

10月31日。

今日最初の会話だった。

 

 

 

 

「いや、だからトリック・オア・トリートだってば。」

「え?・……あ・あぁ…ハロウィン??」

「それ以外じゃ使わないでしょ。こんな理不尽な言葉。」

「り・理不尽??」

「いや、だってさ……要するにこれってお菓子くれなきゃ悪戯するぞってことでしょ?そんな自分勝手なって感じしない?」

「そ・そういわれてみれば………」

「あ―――――……でも、桜あたりなら普通に言いそうだ。」


「??」

 

 

 

 

×××

 

「で?お菓子、くれないの?」

「え?えぇ!?い……いまは・…持ち合わせが…ないんだけど」


まるでカツアゲされた子がいうようなセリフを雫は言う。

 

「じゃあ……悪戯だよね?」

にーっこり暗い笑みを浮かべて菫は笑った。

 

「えぅ……そ・そういうルールなら……しょうがない…よね。じゃ・じゃぁ……お手柔らかにお願いします!!」

そういって雫はぎゅっと目を瞑って菫に顔を差し出す。


「……え?」


焦ったのは菫である。

当然そういう意味で言ったので強ち雫の行動は自分の理にかなっているのではあるが、そういう方面ではからっきし鈍い雫をいつも通りからかって……という予定だったため、いざ準備万端で来られるというのも……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

でも…まぁ……末残食わぬは男の恥……とか流風さんも言ってたしな。

 

 

などと考えながらそっと雫の肩に手を添える。


「…………っ」

 

いつまでたっても初々しい反応を返してくれるなぁ……

 


そして頭を屈めあと数㎝で唇が触れあう………


「あ、菫くんっ!油性じゃなくて水性でお願いね!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………………は?」

 

 


「明日…一応学校あるし…だから油性じゃ落ちないから困るんだけど……」

「え…っと………」

「あ……でもでも、めちゃくちゃ頑張ってこすったら落ちるかもしれない……かな。」

「あの…………雫?」

「え…?」


「さっきから何の話してるの?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


×××


話をまとめるとこうである。

学校で夕姫が凪に同じようにハロウィン恒例のセリフを言って、お菓子を持っていなかった凪に対してマジックで顔に落書きされていたらしい。

それを見ていた雫は


イタズラ=顔に落書き


と思いこんでいたらしい。

 

「…………はぁ。」

こうなりゃもうムードもなにもあったもんじゃない。

とばかりに菫は溜息をついた

 


「雫ってさぁ………ホントに馬鹿だよね」


「え?えぇ??」

 

 

 

何がなんだかわかっていない雫は少し半泣きになりながら何で?何で??と菫のまわりをちょろちょろとしている。


そんな雫を腕の中に抱きこんでみる。

 

「へ?………あ・あの・………す・すみれくん??」


「………………」


「あ・あの………」

 

 


「ばーかばーか。」


「!?」

 

 

 


(まぁ……そこが可愛いんだけど。)

と思っているのは雫には内緒だ

 

 

 

 

◆◆◆

恋の一雫でハロウィンでした。
番外編ってことで恋人同士になった2人でお送りしましたー。

いや、だって本編だったらまだ2人知り合い程度なんだもんよ。

 

 


 




「ゆ・・・夢姉・・・??」

二人は茫然とその名を呟く。


「え・・・・・・あの・・・・・・?ゆーきちゃん?海原くん??」

いきなり顔を見合わせて黙りこんでしまった二人に雫は不安げに声をかける。


そんな雫を無視して二人はぼそぼそと小さな声で話す

 

 

「そんな・・・・・・まさか・・・夢姉が・・・あの人の・・・?」

「え・・・?で・でも夢姉って・・・恋人いた・・・よな?あの人じゃなくて・・・金髪の」

「う・・・うん・・・そのはずなんだけど・・・ってかなっちゃんがそれ聞いたんでしょ?」

「お・・・おぅ。あ!!じゃあきっとあの人とは・・・恋人とかじゃないんだな!!夢姉にかぎって二股とかするはずないし!!」

「そ・そうだよね!!」

「きっと偶然会って今散歩中とかそういうのだよね!!」

「おぅ!!!」

 


「あぁ!!!」

「「!?!?」」


いきなりの雫の大きな悲鳴に二人は会話を中断する。

「ど・どうした!?」

「あ・・・・・あれ・・・」


雫はぷるぷると指を震わせながら指さす。


その指の先の光景に思わず凪と夕姫は息を飲む


「夢姉・・・・・・泣いて・・・る?」

「よ・・・な?」

そこには夢という女性が静かに泣いていて、それをじっと見ている男の姿があった。

明らかに偶然会って今散歩中・・・という空気ではない。

 


「そんな・・・・・・あの人が本当の恋人なのかなぁ・・・?」

雫が半泣きになりながら夕姫に助けを乞うように目線を向ける


「いや・・・そんなはずは・・・・・・」

困っている夕姫の横で凪は雫の言葉が引っかかっていた。


「神館・・・・・・本当のって?」


「え・・・?だって・・・この前見た人はあの人じゃない・・・から」

「「な!?」」


「え?」


途端に二人の纏う空気が変わった


「って・・・・・ことは・・・あの人はいろんな女の人とお付き合いがあって・・・夢姉にも手を・・・・・・」

「その上夢姉を泣かせた・・・・・ってのか・・・?」

 

 

 


「あの・・・・・?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「許せん!!」」

 


そう言って二人は背負っていた竹刀に手をかける。(自主トレのために持って帰ってきていた)

背後にはマンガでいうと『ゴゴゴゴゴゴ・・・・・・』という効果音がついていた。

 

 

 


「え?ちょ・・・夕姫ちゃん!?海原くん!?!?な・なにするつもり!?!?」

 

「ごめんね・・・・・・しーちゃん。いくらあの人がしーちゃんの運命の人でも・・・夢姉を泣かせる人は許せないの。」

「ま、お前も変なのに引っかかる前に気付けてよかったなってことで・・・」

「ちょ・あの人はそんな人じゃないよ!!やめ・・・」

「しーちゃん。だって・・・夢姉を泣かせたんだよ?」

「え・・・あの・・・・」

「許せねーよなぁ?」

「ちょ・・・ま・・・」

 

 

 

 

 


「何が?」

 

 

「「「!?!?!?」」」


突然するはずのない声が聞こえ3人とも固まってしまう


「ってか・・・何してるの?あんたたち。」


「ゆ・・・夢姉!」

まさに今口論の対象であった二人が目の前に立っていた。

 

「あ・・・・・・」


雫は目の前の男性と目が合って思わず顔が赤くなるのを感じた。


「ゆ・・・夢姉・・・その・・・・・・・そちら・・・は?」

凪が男性を指さして尋ねる。

「こーら!人を指さしちゃダメって言ってるでしょ。」

ぽこっと夢は凪の頭を軽く叩く

「ご・・・ごめんなさい。」

「うむ、わかればよろしい。あ、この人は・・・菫くん、浅葱菫くんだよ。私お友達。」

「どうも。」

そう言って菫と紹介された男性は軽く頭を下げる。

「と・・・友達!?こ・恋人・・・じゃないよな!??」


「「・・・・・・・・・は?」」

意味わからないというような顔をして夢と菫は顔を合わせる。

 

「恋人って俺が??」

「ん??な・・・なんでそんなことに??」

「ってか夢さん・・・・・流風さんのこと・・・」

「あ、・・・あれ??な・凪には・・・言ったよね?龍牙のこと・・・。ほ・ほら、あの金髪のさ、」

「あ・・・う・うん。やっぱあの兄ちゃんが・・・恋人・・・なんだよな?」

「・・・・・・・・・・・・・」


途端に夢の回りの空気が冷たくなる。


「まぁ・・・・あの馬鹿が私の何なのかってのは置いといて、菫くんと私は普通の友達だけど?ってかなんでそういう話になるのよ。」

はぁ・・・と呆れたように夢が溜息をつく。

「だ・・・だって!!今夢姉その人に泣かされてたじゃない!!」

「わ・・・・・っ馬鹿!!」


夕姫の口を思わず凪がふさぐ。

まぁ、もう言葉にしていたため意味はないのだが。


「あ・・・・・あー・・・・見てたんだ・・・。ってかあれは・・・あ――――。」

「あれ・・・俺のせいですか?」

「え?いやいやいや。」

「まぁ・・・・・・どっちかっていうと桜のせいですけどね。」

「へ?なんでそこで桜くん??」

「あれ?まだ気づいてないんですか?あれ・・・桜ですよ?」

「・・・・・・・・・・は?」

「いや、だからあれ桜ですって。」

「え・・・いや・・・え・え・・・・・えぇ!?」

 

 

二人の会話がよくわからない三人は頭の上に?マークを浮かべる。

「あの・・・・・・夢姉?」

「え・・・あ、いや。な・なんでもない!!ってかさっきのは忘れて。ついでに菫くんは全然悪くないから!」

「そ・そうな・・・の?」

「そうなの!」

 

 

 

×××

「あの・・・夢さん。すごい今更なんですが、その子たちは?」

「あ、ごめんごめん。この子たちは私の幼馴染で・・・まぁ、弟と妹みたいなもの。こっちが海原凪。海の弟だよ」

「どうもっす。」

ぺこっと凪が頭を下げる。

「あぁ・・・海さんの。」

「そうそう。でも凪のほうが賢いよ」

にこっと笑ってさり気無く酷いことを言う

「で、こっちは春菜夕姫」

「こんにちは。」

夕姫も笑顔でぺこりと頭を下げる。

「で・・・・・・あれ?あなたは・・・・・・私もはじめましてだよね?」

「あ・・・・・は・はい!!こんにちは。私、神館雫と言います!!」

そう言って頭が膝につく勢いでお辞儀をする。


その雫をじっと見て菫が口を開く


「あ・・・・キミ・・・前もこの辺で会った・・・よね?」

「は・はい!!お・・覚えててくれたんですか!??!」

「え?あぁ・・・うん。何か面白かったし。」

「お・・・面白い・・・」

一瞬自分と同じような気持ちになってくれているのではないかと期待した雫は思わず肩を落とす。

まぁ・・・人生そんなにうまくいくはずもない。

 

「菫くんの知り合いだったんだ。」

「いや、知り合いってほどじゃ・・・・・・ほら、前に話しませんでした?自分の足に引っかかって転ぶ子。」

「あ・・・あぁ―――――。あの・・・怪談大会の時話してた・・・・・・」

その時の様子を思い出しているのか夢は少し顔が青くなる。

「か・・・怪談大会ですか??」

「あ、うぅん。いいのいいの。気にしないでね。」


夢は 慌てたように手をぶんぶんと振った。


「あーーーえっと、はじめまして。私は秋原夢って言います。貴方のことは夕姫から何回か聞いたことあるの、いつも夕姫と凪と仲良くしてくれてありがとうね。」

そう言って夢は雫に笑いかける。

「あ・・・い・いえっ!!」

雫は何だか気恥しくなって思わず俯く。

そんな彼女の耳元で夢はこそっと呟いた。

「ちなみに、本当に私と菫くんは何でもないから。頑張ってね?」

「!?!?」

がばっと真っ赤な顔をして夢を見つめる。

そんな雫を見て夢はにっこりと笑った。

 


「さて、もう日も暮れて来たし、そろそろ帰りましょうか。」

「そうですね。」

「あ、菫くん。悪いんだけど雫ちゃんのこと家まで送って行ってくれる?」

「え?」

「・・・・・・・・・・え??」

菫は少し怪訝そうな顔をして夢を見る。

「ほらこんな時間になるとさぁ・・・変な人とか出てきそうでしょ?こっちの世界も今何かと物騒だから。この2人はどうせ家に近いから私が送るし。そうなると、この子が1人になっちゃうじゃない?」

「はぁ・・・・・・まぁいいですけど。」

「ほんと?ならお願いね!」

とんとんと夢は話を進めていく。

当の雫は未だに状況がよく掴めてないのかぽかんとしている。


「じゃあ、またね~。」

「あ・・・え・・・?えーっと・・・・・・ば・ばいばい!しーちゃん!!」

「あーーーー・・・じゃぁな?」

そう言って夢、凪、夕姫はさっさと帰ってしまう。

残された2人は・・・・・・・・・


「えーっと・・・じゃあ帰りましょうか?」

「・・・・・・・・・・・・・・」


「あの・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


「・・・・・・雫さん?」

「ふぁ・・・ふぁい!!」

ぽんと肩を叩かれビクリと大袈裟なほどに雫は飛び上がる。

「え・・・・?」

「あ、す・すいませんっ!!え・・・と・・・じゃ・じゃあ・・・・・・・おねがいしますっ!!」


「はぁ、じゃあ行きましょう。」

「は・はい!!」

そうして2人は歩きだした。

 




×××

「夢姉~」

「ん?」

「なんでわかったんだ?神館があの人のこと好きだって。」

「え!?夢姉わかってたの!?!?」

「いや、わかってなきゃ、あんなこと言うわけねーじゃん。」

「いや~だってあんなに真っ赤な顔で好き好きオーラ出まくりで菫くんのこと見てたら・・・・・・わかるっしょ?」

「そんなもんかなぁ」

「そんなもんだって。」

(じゃあ何で海の気持ちには気付かなかったんだろう。)


「しーちゃんたち、今どーなってるかなぁ??」

 

 


×××

その頃・・・


「あの、右手と右足同時に出てますけど。」

「・・・ふぇ?」

 

 

 

◆◆◆
とりあえず今回はこの辺で。
やっと2人が出会うとこまできました!!次はもうちょっと進展・・・・・・するかなぁ?(おい)

あ、ちなみに夢さんはいわずもがな、サイトの「許恋」に出てくるヒロインさんです。
自分に対する好意に対しては鈍いんですが、他人に関しては結構鋭いです。
あとあの剣道部コンビは夢姉大好きっこですいません(笑)
とりあえず夢を泣かせる=悪い人という方程式が出来上がります。

あと、夢が泣いていた原因ですが・・・・・・それはまた書きます。
ちなみに他には龍と桜ともしかしたら准が出る予定。
まぁ、気長に待ってみてください。
 

追記
誤字があったので修正しました(汗)すいません。



「…………はぅ。」


先日、運命の相手を見つけると張り切っていた雫だか、あのときの勢いはどこに行ったのか?と問いたくなるほどに落ち込んでいた。

 

「ど、どーしたの??しーちゃん!?」

「・・・・・・ゆーきちゃん・・・・・・ぅ・・・ふ・・・ぇぇぇぇ・・・」


雫は夕姫の姿を見たとたんに情けない声を出した。

「し・しーちゃん??」


「うぅーー・・・・・・」


「ちょ・しーちゃん・・・泣かないでよぉ・・・・・・」


夕姫もどうしたらいいのかわからなくなったらしく、釣られるように情けない声を出す。

 

 

 

「・・・・・・・・・・お前ら・・・なにしてんの?」

「なっちゃん・・・・・・助けてぇ・・・」

「夕姫・・・何泣きそうな声してんだよ。ってか神館、なに沈んでんの?」


「うぅ・・・・・・」

 


とりあえずは凪が二人を落ちつけて、原因である雫の話を聞くことにした。

 


「あの・・・あのね・・・・・・昨日・・・ね。例の公園に行ってきたんだけどね。」

「公園?あ・・・あぁ、例の運命の相手を見つけるとか言ってたあれか。」


「うん。」

「見つからなかったの??」

「それでへこんでたのか?ってか一回や二回じゃ見つからねーって!そういうのは根気強くだなー」

「そうだよ!しーちゃん!!何事も諦めないことが大事だよ!!」

「あ、ち・違うの!!見つかった…の。」

 


「「は?」」

「だから・・・その・・・昨日見つけた・・・んだけど・・・・・・す・・・すっごく綺麗な女の人と歩いてて・・・その・・・・」

その時の状況を思い出したのか雫はまた涙目になる。

「ほんと・・・に・・・すっごく綺麗な人で・・・あ・あんな人相手じゃ・・・敵わないよぉ・・・」

今度は本気で泣きだしそうな雫を見て夕姫は焦ってフォローの言葉を出す。

「や・・・で・でもっ!!その人お友達かもしれないでしょ??別に恋人って決まったわけじゃ・・・」

「だって!!その女の人抱きついてたんだもん!!運命の人も別に厭がってなかったし・・・・・・うぅ・・・」

「あ・・・で・でもぉ・・・スキンシップ過剰な人なのかもしれないよ!!私だってなっちゃんとかに抱きつくし!!」

「な!?ゆ・夕姫!!何言って!!」

「それならあの人たちも夕姫ちゃんと海原くんみたいに仲良しってことじゃない!!やっぱり勝ち目ないよぉ・・・」

「や・・・俺たちは別に・・・」

「で・でも!私となっちゃんだって友達だしっ!!仲いいけど友達だし!恋人じゃないもん!!きっとその人たちも恋人じゃないよ!だったら雫ちゃんにだってまだチャンスは・・・」

「・・・・・・・・・・・・」

「で・でもぉ・・・・・・」


天然の悪気のない言葉ってのはここまで胸を抉るのか・・・と凪は一人静かに考えていた。

 


そんなこんなの堂々巡りの会話をしばらく続けていた二人に対して凪がおもむろに口を挟む。

 


「神館・・・・・・うざい。」

「え・・・?」

「さっきからうじうじうじうじ・・・ネガティブなことばっか考えやがって!相手に恋人がいるかどうかなんてなぁ、直接聞いてみねーとわかんねーだろーが!もし恋人いたとしたら諦められんのか?ならさっさと諦めろ。その女押しのけて振り向かすくらいの度胸がねーんなら一目惚れなんてするな!!」

半ばやけくそな感じで凪が言う。

少しの八当たりも入ってるが・・・・・・


「・・・・・・・・・」

雫は黙ったままうつむいてしまった。

その雫の手を取って夕姫が話し出す。

「あのね・・・なっちゃん言い方はキツイけどしーちゃんのこと心配して言ってるんだよ?それに・・・なっちゃんの言うこともあると思うの。ちゃんと確かめないとわかんないよ?今日3人でその公園行ってみて、ちゃんと確かめよう?」

「夕姫ちゃん・・・・・・うん。」

「え・・・俺は別にいかな・・・」

「よし!!じゃあ今日の放課後は公園に突撃だぁ!!」

「おー!!」

「・・・・・・聞けよ。」

 

 

 

 

 

×××

 

 

「・・・・・・で?」

「え?」

「かれころ一時間近く待ってるわけなんだが・・・そいつって何時くらいにここ通るんだ?」

「あ・・・その、よくわからない。まだ見かけたの2回だけだし。その2回も時間帯違ったし。」

「ふーん。」

「あ・・・あの・・・」

「ん?」

「ご・ごめんね・・・つき合わせちゃって・・・」

「あ?あぁ・・・別に・・・ってか・・・俺こそごめん、さっきはキツく言ったりして。ちょっと・・・何というか・・・心のコントロールが出来なくて・・・」

「??」

「いや、忘れて。でも!!間違ったことは言ってねーからな!!試合と一緒でな、最後まで諦めたらダメなんだからな!!」

「う・・・うん!」

 

「おまたせ~」

そう言って夕姫がジュースを三本抱えて帰ってくる。

「本当は買い食い禁止なんだけどね~」

「飲んでるんだからOKじゃね?」

「ありがとう夕姫ち・・・・・・・・・あぁ!!」

ジュースを受け取ったとたんに雫が立ちあがり声を上げる。

「え??これ飲めなかった??」

「ち・ちがっ・・・・・・あそこ!!あの植木の向こう!!あの人が!!」

「「!?」」


がばっと二人は雫が示した方向に目を向ける。

 

 

「「・・・・・・・・・・・・!?」」

 


そして2人は同時に言葉を失い、目を合わせた。

 

 

 

そこには雫の言う運命の人であろう男と、その隣に1人の女性が歩いていた。


「ゆ・・・夢姉・・・??」


その女性の名を二人は呟く。

 

 


×××
はい。やっとこさ2話です。
遅れてすいません。ちゃんと今日中にupしたよ、トオルさん!!
しかし中途半端なとこで終わらせてすいません。。。
出来るだけ早く続きを書きたいと思います。



はじめに…


このお話はSnowdrop本館の「許されない恋とわかっていても…」に出ているキャラとトオルさまの「月明かりに蝶灯」に出てくるキャラが登場します。
しかし、別に知らなくても、この話単体で読めるようにはするつもりです。
一応ちまちま続いていく予定。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

物語の中ではよくあること……一目見て恋に落ちるなんて……

 


けれどそれが実際にあるなんて……私は思ってなかった。

 


そう………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


あの人に会うまでは……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【恋の一雫】

 

 

「ふぎゅっっ!!」

 


すべしゃっ…という効果音が響くかのように、その少女は地面につっぷしていた。

つまり、コケたのである。

 

「うぅ……また……こけちゃった。。。」


また、ということは前もあるわけで、この少女は特技と言っていいくらい何もないところでコケるのである。


そんな変な特技を持っている少女の名は『神館 雫』

桜井高校の一年生。

 


「しーちゃん、大丈夫?」


そう言って雫を覗き込んで心配する顔があった。

 

「夕姫ちゃん……うん。。だいじょぶ。」

そう言って雫は立ちあがった。


今雫を心配しているのが『春菜夕姫』 

雫のクラスメートで友達である。


「どーしたの??そんなに急いで。まだ授業始ってないよ??」

「ち、ちがうの!!遅刻しそうで急いでたんじゃないの!!」

「??今日朝礼もないよ?」

「だから違うのぉ!!」

ぶんぶんと首が取れそうな勢いで雫が首を振る

 

「あのねっ!!あのねっ!!!ついに見つけた…見つけたの!!」

「???」

 

 

「今度は何見つけてきたんだよ?」

少し呆れたような声で一人に少年が話に入ってくる。

彼の名は『海原凪』

雫のクラスメートその2である。

「あ、なっちゃん!!」

 

 

「夕姫……そのなっちゃんってのやめろって言ってんだろ!!」


「なんでー?なっちゃんはなっちゃんじゃん!!」

「俺の名前は凪!!わかるか?な・ぎ!!だからなっちゃんじゃねぇ!!」

「だからー凪のなの部分とってなっちゃんでいいじゃない?」

「取るなよ!!ってか普通に呼んだほうが短いだろ!!普通に呼べよ!!」

「だってなっちゃんのが可愛いんだもん。」

「高1の男子に可愛さを求めんなーー!!」

「だってなっちゃんかわいいんだもん。」

「……………」

「なっちゃん??」

「…………も…いい。」


いろいろと諦めた顔で凪が言う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


「で?何見つけたって?ってか神館前にも同じようなこと言ってなかった?」

「前??」

「あーそういえば言ってたね~。えーっと……確か…」

「王子様……だっけ?」

「あ、うんっ!!だって……金髪碧眼だったんだよ??しかもしかもっ!!回りに女の人いっぱいいたし!!背も高かったし!!カッコよかったし!!あれは王子様だよ!」

雫はその時のことを思い出しているのか、ぽー…と頬を赤く染めた。

 

「まぁ…カッコよかったけどね~」

「確かに……背は高かったけど……」


「でしょでしょ!!私本から王子様が抜け出したのかと思ったもん!!」

 


「で?今度は何を見つけたんだ?王子様の次はお姫様でも見つけたか?」


「ぇ…ち・違うよぅ!!」

「じゃー何見つけたの??」

 


「あの…あのね…………」


「??」

 

「………運命の人…」


手のひらを真っ赤になった両頬に当て、雫はそう言った。

 


「ぇ…?」

「は?」

突然の発言に2人はマヌケな声が出る。

 


「だからね…運命の人……見つけちゃったっ!!」


「え?あの………つまり?」


「………一目惚れしちゃったっ」


真っ赤な顔をさらに真っ赤にして雫が言う。

 

 

 

 

「えぇぇぇぇぇぇ!!!!!」

「ちょ、夕姫…うるさい!」

ワンテンポ遅れて夕姫はオーバーなリアクションを見せる。

 


「えぇーえぇーえぇぇぇ!!しーちゃんっ!!すごーい!!すごーーい!!うわぁ~~すごいすごい!!」

一体何がすごいのか…、とりあえずすごいを連発して夕姫は雫の手を取りくるくるとその場で回り始めた。


「ちょ、、ゆーきちゃーん~~」


「すごいすごーい~~」


くるくるくるくる

 

「あ、あぅぅぅ~~~」


「ね~~すごーい~~」


くるくるくるくるくる

 


「夕姫。その辺で離してやれって。神館ダウンしそうだぞ」

 

「え?」

「うぅ…」


「あ、ごめんごめんっ!!」

そう言って回転を止めて手を放す。

 

 

 

従来女の子とは恋バナが好きなものである。

夕姫に至っても例外ではない。

 

「で?で??どんな人なの??」

ずいっと雫に近づいて夕姫が尋ねる。

「え…と…。あの……」

雫はちらりと凪を見る


「え…?……あ、俺邪魔??」


ここは気を利かせて立ち去るべきかと凪は腰を上げた


「あ、べ・別に邪魔なんてことっ!!た、ただ……あのっ……男の子の前で…その…うまく話せるかなって……思って…」

「??」

「あ……そういやしーちゃんって…男の人嫌いなんだったっけ??」

「そなの?」

「あ…嫌い…とかじゃなくて……。苦手、なの。な・何話していいのかわからなくなっちゃって…///」

「ふ――ん。それでよく一目惚れとかしたな。」

「う・うん。だから自分でもびっくり!!」

「んじゃ、俺やっぱ向こう行ってようか?」

「あ………い、いい!!大丈夫!!海原くんって…あんまり男の子っぽい感じしないしっ」

「……………………」(それって…どうよ。)

 

密かに男としてのプライドを壊された凪だったが、どう見ても雫に悪気は無いので怒るに怒れなかった

 

 

 


「では、改めて…どんな人なの?」

再び目をキラキラさせて夕姫は雫に詰め寄る

「どんな人って……性格は分からないんだけど…」

「??」

 

 

 

「あのね…この前公園を歩いてたら…その、またコケそうになって」

「うんうん」

「そうしたら……転ぶ前にね!!助けてくれた人がいたの!!」

再び顔を赤らめて雫が話す

「どのタイミングで転ぶか全く想像がつかない神館を助けれるなんて……なかなかやるな。」


「そうなの!!それでね!細そうな腕だったのに…力強くてね…助けてくれたあとに『大丈夫?』って声をかけてくれたのっっっ!!」

バシバシっと雫は机を叩く

「びびってね……こう…びびって来たの!!きっとあの人が私の運命の人だと思うの!!」

そう言って雫は身を乗り出して話す

「そ、そうか…」

普段大人しい雫のあまりの迫力に思わず2人は圧倒される

「絶対……ぜーーーーーーったい!!お知り合いになってみせる!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

×××

「………っ」ぞくっ

「どーしたの?菫ちゃん」

「いや…何か寒気が…」

 










◆◆◆
ようやく始めれましたっ(汗)
キャラとかは一年以上前から作ってたんですが……なかなか書き出せずに(汗
とりあえずちまちま進んでいきます。



あ、王子様ってのは許恋のあいつですよ(笑)



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