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「 恋の一雫 1 」
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はじめに…


このお話はSnowdrop本館の「許されない恋とわかっていても…」に出ているキャラとトオルさまの「月明かりに蝶灯」に出てくるキャラが登場します。
しかし、別に知らなくても、この話単体で読めるようにはするつもりです。
一応ちまちま続いていく予定。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

物語の中ではよくあること……一目見て恋に落ちるなんて……

 


けれどそれが実際にあるなんて……私は思ってなかった。

 


そう………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


あの人に会うまでは……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【恋の一雫】

 

 

「ふぎゅっっ!!」

 


すべしゃっ…という効果音が響くかのように、その少女は地面につっぷしていた。

つまり、コケたのである。

 

「うぅ……また……こけちゃった。。。」


また、ということは前もあるわけで、この少女は特技と言っていいくらい何もないところでコケるのである。


そんな変な特技を持っている少女の名は『神館 雫』

桜井高校の一年生。

 


「しーちゃん、大丈夫?」


そう言って雫を覗き込んで心配する顔があった。

 

「夕姫ちゃん……うん。。だいじょぶ。」

そう言って雫は立ちあがった。


今雫を心配しているのが『春菜夕姫』 

雫のクラスメートで友達である。


「どーしたの??そんなに急いで。まだ授業始ってないよ??」

「ち、ちがうの!!遅刻しそうで急いでたんじゃないの!!」

「??今日朝礼もないよ?」

「だから違うのぉ!!」

ぶんぶんと首が取れそうな勢いで雫が首を振る

 

「あのねっ!!あのねっ!!!ついに見つけた…見つけたの!!」

「???」

 

 

「今度は何見つけてきたんだよ?」

少し呆れたような声で一人に少年が話に入ってくる。

彼の名は『海原凪』

雫のクラスメートその2である。

「あ、なっちゃん!!」

 

 

「夕姫……そのなっちゃんってのやめろって言ってんだろ!!」


「なんでー?なっちゃんはなっちゃんじゃん!!」

「俺の名前は凪!!わかるか?な・ぎ!!だからなっちゃんじゃねぇ!!」

「だからー凪のなの部分とってなっちゃんでいいじゃない?」

「取るなよ!!ってか普通に呼んだほうが短いだろ!!普通に呼べよ!!」

「だってなっちゃんのが可愛いんだもん。」

「高1の男子に可愛さを求めんなーー!!」

「だってなっちゃんかわいいんだもん。」

「……………」

「なっちゃん??」

「…………も…いい。」


いろいろと諦めた顔で凪が言う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


「で?何見つけたって?ってか神館前にも同じようなこと言ってなかった?」

「前??」

「あーそういえば言ってたね~。えーっと……確か…」

「王子様……だっけ?」

「あ、うんっ!!だって……金髪碧眼だったんだよ??しかもしかもっ!!回りに女の人いっぱいいたし!!背も高かったし!!カッコよかったし!!あれは王子様だよ!」

雫はその時のことを思い出しているのか、ぽー…と頬を赤く染めた。

 

「まぁ…カッコよかったけどね~」

「確かに……背は高かったけど……」


「でしょでしょ!!私本から王子様が抜け出したのかと思ったもん!!」

 


「で?今度は何を見つけたんだ?王子様の次はお姫様でも見つけたか?」


「ぇ…ち・違うよぅ!!」

「じゃー何見つけたの??」

 


「あの…あのね…………」


「??」

 

「………運命の人…」


手のひらを真っ赤になった両頬に当て、雫はそう言った。

 


「ぇ…?」

「は?」

突然の発言に2人はマヌケな声が出る。

 


「だからね…運命の人……見つけちゃったっ!!」


「え?あの………つまり?」


「………一目惚れしちゃったっ」


真っ赤な顔をさらに真っ赤にして雫が言う。

 

 

 

 

「えぇぇぇぇぇぇ!!!!!」

「ちょ、夕姫…うるさい!」

ワンテンポ遅れて夕姫はオーバーなリアクションを見せる。

 


「えぇーえぇーえぇぇぇ!!しーちゃんっ!!すごーい!!すごーーい!!うわぁ~~すごいすごい!!」

一体何がすごいのか…、とりあえずすごいを連発して夕姫は雫の手を取りくるくるとその場で回り始めた。


「ちょ、、ゆーきちゃーん~~」


「すごいすごーい~~」


くるくるくるくる

 

「あ、あぅぅぅ~~~」


「ね~~すごーい~~」


くるくるくるくるくる

 


「夕姫。その辺で離してやれって。神館ダウンしそうだぞ」

 

「え?」

「うぅ…」


「あ、ごめんごめんっ!!」

そう言って回転を止めて手を放す。

 

 

 

従来女の子とは恋バナが好きなものである。

夕姫に至っても例外ではない。

 

「で?で??どんな人なの??」

ずいっと雫に近づいて夕姫が尋ねる。

「え…と…。あの……」

雫はちらりと凪を見る


「え…?……あ、俺邪魔??」


ここは気を利かせて立ち去るべきかと凪は腰を上げた


「あ、べ・別に邪魔なんてことっ!!た、ただ……あのっ……男の子の前で…その…うまく話せるかなって……思って…」

「??」

「あ……そういやしーちゃんって…男の人嫌いなんだったっけ??」

「そなの?」

「あ…嫌い…とかじゃなくて……。苦手、なの。な・何話していいのかわからなくなっちゃって…///」

「ふ――ん。それでよく一目惚れとかしたな。」

「う・うん。だから自分でもびっくり!!」

「んじゃ、俺やっぱ向こう行ってようか?」

「あ………い、いい!!大丈夫!!海原くんって…あんまり男の子っぽい感じしないしっ」

「……………………」(それって…どうよ。)

 

密かに男としてのプライドを壊された凪だったが、どう見ても雫に悪気は無いので怒るに怒れなかった

 

 

 


「では、改めて…どんな人なの?」

再び目をキラキラさせて夕姫は雫に詰め寄る

「どんな人って……性格は分からないんだけど…」

「??」

 

 

 

「あのね…この前公園を歩いてたら…その、またコケそうになって」

「うんうん」

「そうしたら……転ぶ前にね!!助けてくれた人がいたの!!」

再び顔を赤らめて雫が話す

「どのタイミングで転ぶか全く想像がつかない神館を助けれるなんて……なかなかやるな。」


「そうなの!!それでね!細そうな腕だったのに…力強くてね…助けてくれたあとに『大丈夫?』って声をかけてくれたのっっっ!!」

バシバシっと雫は机を叩く

「びびってね……こう…びびって来たの!!きっとあの人が私の運命の人だと思うの!!」

そう言って雫は身を乗り出して話す

「そ、そうか…」

普段大人しい雫のあまりの迫力に思わず2人は圧倒される

「絶対……ぜーーーーーーったい!!お知り合いになってみせる!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

×××

「………っ」ぞくっ

「どーしたの?菫ちゃん」

「いや…何か寒気が…」

 










◆◆◆
ようやく始めれましたっ(汗)
キャラとかは一年以上前から作ってたんですが……なかなか書き出せずに(汗
とりあえずちまちま進んでいきます。



あ、王子様ってのは許恋のあいつですよ(笑)

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