注意!
前回同様「恋の一雫」の番外編です。
主役の2人がもう恋人同士なんで注意してください!
あとちょっと変態っぽいとこがありますけど(ってか変態さんがいるけど)…ご了承ください。
俺は最近気づいたことがある。
ガタンゴトン…と規則的な音をさせて大きな箱が移動する。
所詮は電車というやつだ。
電車通学の雫は当然毎日それに乗って学校へ行き、それに乗って家へ帰る。
そんな日常的な風景にたびたび非日常的なことが起きる。
(いた…。)
菫は電車に乗っている雫の姿を見つける。
普通なら声をかけるのだが……如何せん俺の彼女は見てて飽きない。
何もないところでは転ぶし、透明なガラスに突っ込んでみたり、雨の日にマンホールの蓋で滑ってみたり……挙げたらキリがないくらい。
そんな性格の彼女を電車の中でとりあえず観察すること早数回。
高確率で起こることそれは……
(あぁ……また。)
雫の背後に少し歳がいった男性が立つ。
そしてそろり……とスカートの上に手を置き。円を描くように回し始める。
心なしか息遣いも荒くなってきた。
これは世間一般でいう……痴漢ってやつなんだろう。
普通ならきっと泣きそうになったり、離れたりなんらかのアクションを起こすのに…雫はそれをしない。
ただ普通にしている。
だから俺は少し意地悪でこんな質問をしてみたんだ。
「ねぇ、あれはさ。趣味なの?」
「へ?」
突然菫が雫に問いかける。
当然雫は全くなんのことがわからず頭の上にクエスチョンマークが飛ぶ。
「だからさ……よく電車でやってる(やられてる)あれ。趣味なの?」
「電車?」
「そう。乗ってるでしょ?」
「そう…だねぇ。電車には毎日乗ってるけど……何で知ってるの?」
「いや、今そこはいいんだよ。」
「…そうなの?」
「うん。」
「??」
よく意味のわからないまま雫は頷く。
そして雫は菫の言ってる意味について考えてみる。
電車でやってる趣味??
毎日電車に乗ってるけど……趣味と言えるようなことはやってな……
あ……あぁー!!
「で?どうなの?」
菫は再び問いかけると雫は嬉しそうな顔をして答えた。
「そう!趣味なの!!とってもおもしろいんだよ!!」
「……………………え?」
「なんていうのかな…ロマンが詰まってるっていうかね!!時には激しく時にはスリルもあり……もうやめられないの!!」
「………………」
「今度菫くんもどう!?きっと夢中になるよ!!」
「…………」
「菫くん??」
「い・いや……遠慮しとく。」
「そう??面白いのに。」
知らなかった……
俺の彼女ってそういう趣味だったのか。
おまけ。
「ねー夕姫ちゃん!聞いて聞いて!!今日ね菫くんが私の趣味に興味持ってくれたの!!」
「趣味って……読書のこと?」
「そうなの!私毎朝電車で読んでるんだけど…それを菫くんが興味持ってくれてね!!聞いてきてくれたの!!」
「そっか~!しーちゃん好きだもんねー。本とか。しかもハードカバーなやつ。」
「うん!!だって面白いでしょ?」
「えー…あーーーうん。私はどっちかっていうと体動かすほうが好きだからなぁ~」
「そっかぁ…。また興味が出たら言ってね!おすすめ貸してあげるよ!」
「ありがとー。」
◆◆◆
本編更新せずに番外編ばっかですいません。
とりあえず雫ちゃんは胸おっきくて背が小さいのでよく痴漢されます。
でも雫は電車とかバスとかほぼ本読んでるのでされてることに気付きません(笑)
ちなみに運動神経ない彼女ですが…電車とか立ったままでも本は読めるという特技がある(笑)
菫くんは勘違いしたままですね。
多分そのうち誤解は解けますよ。うん(なんて無責任な)