忍者ブログ
倉庫。
「 恋の一雫 3 」
カレンダー
04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
フリーエリア
最新コメント
最新トラックバック
プロフィール
HN:
向日葵
性別:
非公開
バーコード
ブログ内検索
アクセス解析
カウンター
OTHERS
Powered by 忍者ブログ
Templated by TABLE ENOCH


×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。


「ゆ・・・夢姉・・・??」

二人は茫然とその名を呟く。


「え・・・・・・あの・・・・・・?ゆーきちゃん?海原くん??」

いきなり顔を見合わせて黙りこんでしまった二人に雫は不安げに声をかける。


そんな雫を無視して二人はぼそぼそと小さな声で話す

 

 

「そんな・・・・・・まさか・・・夢姉が・・・あの人の・・・?」

「え・・・?で・でも夢姉って・・・恋人いた・・・よな?あの人じゃなくて・・・金髪の」

「う・・・うん・・・そのはずなんだけど・・・ってかなっちゃんがそれ聞いたんでしょ?」

「お・・・おぅ。あ!!じゃあきっとあの人とは・・・恋人とかじゃないんだな!!夢姉にかぎって二股とかするはずないし!!」

「そ・そうだよね!!」

「きっと偶然会って今散歩中とかそういうのだよね!!」

「おぅ!!!」

 


「あぁ!!!」

「「!?!?」」


いきなりの雫の大きな悲鳴に二人は会話を中断する。

「ど・どうした!?」

「あ・・・・・あれ・・・」


雫はぷるぷると指を震わせながら指さす。


その指の先の光景に思わず凪と夕姫は息を飲む


「夢姉・・・・・・泣いて・・・る?」

「よ・・・な?」

そこには夢という女性が静かに泣いていて、それをじっと見ている男の姿があった。

明らかに偶然会って今散歩中・・・という空気ではない。

 


「そんな・・・・・・あの人が本当の恋人なのかなぁ・・・?」

雫が半泣きになりながら夕姫に助けを乞うように目線を向ける


「いや・・・そんなはずは・・・・・・」

困っている夕姫の横で凪は雫の言葉が引っかかっていた。


「神館・・・・・・本当のって?」


「え・・・?だって・・・この前見た人はあの人じゃない・・・から」

「「な!?」」


「え?」


途端に二人の纏う空気が変わった


「って・・・・・ことは・・・あの人はいろんな女の人とお付き合いがあって・・・夢姉にも手を・・・・・・」

「その上夢姉を泣かせた・・・・・ってのか・・・?」

 

 

 


「あの・・・・・?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「許せん!!」」

 


そう言って二人は背負っていた竹刀に手をかける。(自主トレのために持って帰ってきていた)

背後にはマンガでいうと『ゴゴゴゴゴゴ・・・・・・』という効果音がついていた。

 

 

 


「え?ちょ・・・夕姫ちゃん!?海原くん!?!?な・なにするつもり!?!?」

 

「ごめんね・・・・・・しーちゃん。いくらあの人がしーちゃんの運命の人でも・・・夢姉を泣かせる人は許せないの。」

「ま、お前も変なのに引っかかる前に気付けてよかったなってことで・・・」

「ちょ・あの人はそんな人じゃないよ!!やめ・・・」

「しーちゃん。だって・・・夢姉を泣かせたんだよ?」

「え・・・あの・・・・」

「許せねーよなぁ?」

「ちょ・・・ま・・・」

 

 

 

 

 


「何が?」

 

 

「「「!?!?!?」」」


突然するはずのない声が聞こえ3人とも固まってしまう


「ってか・・・何してるの?あんたたち。」


「ゆ・・・夢姉!」

まさに今口論の対象であった二人が目の前に立っていた。

 

「あ・・・・・・」


雫は目の前の男性と目が合って思わず顔が赤くなるのを感じた。


「ゆ・・・夢姉・・・その・・・・・・・そちら・・・は?」

凪が男性を指さして尋ねる。

「こーら!人を指さしちゃダメって言ってるでしょ。」

ぽこっと夢は凪の頭を軽く叩く

「ご・・・ごめんなさい。」

「うむ、わかればよろしい。あ、この人は・・・菫くん、浅葱菫くんだよ。私お友達。」

「どうも。」

そう言って菫と紹介された男性は軽く頭を下げる。

「と・・・友達!?こ・恋人・・・じゃないよな!??」


「「・・・・・・・・・は?」」

意味わからないというような顔をして夢と菫は顔を合わせる。

 

「恋人って俺が??」

「ん??な・・・なんでそんなことに??」

「ってか夢さん・・・・・流風さんのこと・・・」

「あ、・・・あれ??な・凪には・・・言ったよね?龍牙のこと・・・。ほ・ほら、あの金髪のさ、」

「あ・・・う・うん。やっぱあの兄ちゃんが・・・恋人・・・なんだよな?」

「・・・・・・・・・・・・・」


途端に夢の回りの空気が冷たくなる。


「まぁ・・・・あの馬鹿が私の何なのかってのは置いといて、菫くんと私は普通の友達だけど?ってかなんでそういう話になるのよ。」

はぁ・・・と呆れたように夢が溜息をつく。

「だ・・・だって!!今夢姉その人に泣かされてたじゃない!!」

「わ・・・・・っ馬鹿!!」


夕姫の口を思わず凪がふさぐ。

まぁ、もう言葉にしていたため意味はないのだが。


「あ・・・・・あー・・・・見てたんだ・・・。ってかあれは・・・あ――――。」

「あれ・・・俺のせいですか?」

「え?いやいやいや。」

「まぁ・・・・・・どっちかっていうと桜のせいですけどね。」

「へ?なんでそこで桜くん??」

「あれ?まだ気づいてないんですか?あれ・・・桜ですよ?」

「・・・・・・・・・・は?」

「いや、だからあれ桜ですって。」

「え・・・いや・・・え・え・・・・・えぇ!?」

 

 

二人の会話がよくわからない三人は頭の上に?マークを浮かべる。

「あの・・・・・・夢姉?」

「え・・・あ、いや。な・なんでもない!!ってかさっきのは忘れて。ついでに菫くんは全然悪くないから!」

「そ・そうな・・・の?」

「そうなの!」

 

 

 

×××

「あの・・・夢さん。すごい今更なんですが、その子たちは?」

「あ、ごめんごめん。この子たちは私の幼馴染で・・・まぁ、弟と妹みたいなもの。こっちが海原凪。海の弟だよ」

「どうもっす。」

ぺこっと凪が頭を下げる。

「あぁ・・・海さんの。」

「そうそう。でも凪のほうが賢いよ」

にこっと笑ってさり気無く酷いことを言う

「で、こっちは春菜夕姫」

「こんにちは。」

夕姫も笑顔でぺこりと頭を下げる。

「で・・・・・・あれ?あなたは・・・・・・私もはじめましてだよね?」

「あ・・・・・は・はい!!こんにちは。私、神館雫と言います!!」

そう言って頭が膝につく勢いでお辞儀をする。


その雫をじっと見て菫が口を開く


「あ・・・・キミ・・・前もこの辺で会った・・・よね?」

「は・はい!!お・・覚えててくれたんですか!??!」

「え?あぁ・・・うん。何か面白かったし。」

「お・・・面白い・・・」

一瞬自分と同じような気持ちになってくれているのではないかと期待した雫は思わず肩を落とす。

まぁ・・・人生そんなにうまくいくはずもない。

 

「菫くんの知り合いだったんだ。」

「いや、知り合いってほどじゃ・・・・・・ほら、前に話しませんでした?自分の足に引っかかって転ぶ子。」

「あ・・・あぁ―――――。あの・・・怪談大会の時話してた・・・・・・」

その時の様子を思い出しているのか夢は少し顔が青くなる。

「か・・・怪談大会ですか??」

「あ、うぅん。いいのいいの。気にしないでね。」


夢は 慌てたように手をぶんぶんと振った。


「あーーーえっと、はじめまして。私は秋原夢って言います。貴方のことは夕姫から何回か聞いたことあるの、いつも夕姫と凪と仲良くしてくれてありがとうね。」

そう言って夢は雫に笑いかける。

「あ・・・い・いえっ!!」

雫は何だか気恥しくなって思わず俯く。

そんな彼女の耳元で夢はこそっと呟いた。

「ちなみに、本当に私と菫くんは何でもないから。頑張ってね?」

「!?!?」

がばっと真っ赤な顔をして夢を見つめる。

そんな雫を見て夢はにっこりと笑った。

 


「さて、もう日も暮れて来たし、そろそろ帰りましょうか。」

「そうですね。」

「あ、菫くん。悪いんだけど雫ちゃんのこと家まで送って行ってくれる?」

「え?」

「・・・・・・・・・・え??」

菫は少し怪訝そうな顔をして夢を見る。

「ほらこんな時間になるとさぁ・・・変な人とか出てきそうでしょ?こっちの世界も今何かと物騒だから。この2人はどうせ家に近いから私が送るし。そうなると、この子が1人になっちゃうじゃない?」

「はぁ・・・・・・まぁいいですけど。」

「ほんと?ならお願いね!」

とんとんと夢は話を進めていく。

当の雫は未だに状況がよく掴めてないのかぽかんとしている。


「じゃあ、またね~。」

「あ・・・え・・・?えーっと・・・・・・ば・ばいばい!しーちゃん!!」

「あーーーー・・・じゃぁな?」

そう言って夢、凪、夕姫はさっさと帰ってしまう。

残された2人は・・・・・・・・・


「えーっと・・・じゃあ帰りましょうか?」

「・・・・・・・・・・・・・・」


「あの・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


「・・・・・・雫さん?」

「ふぁ・・・ふぁい!!」

ぽんと肩を叩かれビクリと大袈裟なほどに雫は飛び上がる。

「え・・・・?」

「あ、す・すいませんっ!!え・・・と・・・じゃ・じゃあ・・・・・・・おねがいしますっ!!」


「はぁ、じゃあ行きましょう。」

「は・はい!!」

そうして2人は歩きだした。

 




×××

「夢姉~」

「ん?」

「なんでわかったんだ?神館があの人のこと好きだって。」

「え!?夢姉わかってたの!?!?」

「いや、わかってなきゃ、あんなこと言うわけねーじゃん。」

「いや~だってあんなに真っ赤な顔で好き好きオーラ出まくりで菫くんのこと見てたら・・・・・・わかるっしょ?」

「そんなもんかなぁ」

「そんなもんだって。」

(じゃあ何で海の気持ちには気付かなかったんだろう。)


「しーちゃんたち、今どーなってるかなぁ??」

 

 


×××

その頃・・・


「あの、右手と右足同時に出てますけど。」

「・・・ふぇ?」

 

 

 

◆◆◆
とりあえず今回はこの辺で。
やっと2人が出会うとこまできました!!次はもうちょっと進展・・・・・・するかなぁ?(おい)

あ、ちなみに夢さんはいわずもがな、サイトの「許恋」に出てくるヒロインさんです。
自分に対する好意に対しては鈍いんですが、他人に関しては結構鋭いです。
あとあの剣道部コンビは夢姉大好きっこですいません(笑)
とりあえず夢を泣かせる=悪い人という方程式が出来上がります。

あと、夢が泣いていた原因ですが・・・・・・それはまた書きます。
ちなみに他には龍と桜ともしかしたら准が出る予定。
まぁ、気長に待ってみてください。
 

追記
誤字があったので修正しました(汗)すいません。

PR
COMMENTS
TITLE

NAME

MAIL

HOME

PASS
Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
COMMENT
TRACKBACKS
PREV | 64 63 62 61 60 59 58 57 56 55 | NEXT
- HOME -
[PR]