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「 許恋 」
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どうやら今年は逆チョコってのが流行りらしい……


ってか逆チョコって……

 


毎年毎年製菓会社の策略に踊らされてる感があるよな……


それでもやっぱり世間の流れには逆らえないもんがあるんで……

 

 

「ほい。」

「…??」

「バレンタインなんで。」

 

俺が夢の目の前にチョコを突き出すと何故か夢は顔を顰めた。


「……何でアンタから?」


心底不思議そうな声で聞かれても……

 

「もしもし…夢さん。一応俺ら付き合ってるんですけど。」

 

「ぁ…え…………うん。…そ、そうだけども……」


未だに付き合ってるって言うだけで顔真っ赤にする夢。


たまんねー!!

 

 

「じゃあ別におかしくねーじゃん。」


「いや……そうでなく……何であんたから??あんた……男でしょ?」

「そりゃ…生まれてから今まで男だけども」

「バレンタインってのは女の子からチョコ渡す日でしょ?」

「夢……知らねーの?」

「なにが?」

「逆チョコ。」

「???」


もしかして……これそんなメジャーじゃねぇの?


「いや、なんか…今年は男から女にチョコを贈るってのが……流行ってるらしい。」


「……………そうなの?」

「らしい…けど……知らねぇ?」

「うん。……今年はそんなのが流行ってるんだ。」

「らしいぜ。コンビニとか言ったらそんなんばっか。」

「へー……」

 

「つーことで。はい。」

さっきと同じ動作で夢の前にチョコを出す。

 

「これ……手作り?」

「まさか…さすがにそこまでは出来ねぇって。」

「だよね」

 

さすがに…手作りはなー……

ってかどんなの作れってんだよ。


家で作ろうもんならあの悪魔の兄姉に……どんなこと言われるか……


考えるだけで恐ろしいぜ。

 

 

「龍牙。ありがとね」

「おう。」

 


「あー……じゃあこれいらない??」


そう言って夢は綺麗にラッピングされた箱を取り出した。

 

「これ…チョコ?」


「いや、まさか今年は男の子がメインってこと知らなかったから……さ。」


そう言って夢はおたおたとしながら言葉を紡ぐ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あの……いらないんならいいんだけども……」


最後は真っ赤になってチョコを握りつぶしそうな勢いだった


「いるって!」

このままじゃチョコがつぶされかねない。

 


「手作り?」


夢がさっき俺にした言葉をそのまま返してみる。

 

「……………一応。」

 

「さんきゅーな」


「……お互い様でしょ。」


そう言ってそっぽ向く横顔はやっぱり真っ赤で…


まぁ偶には世間の話題に流されてみるのも悪くない。


なんてことを考えた。

 

 

 

 

 

 

×××
一応バレンタインなんで……
超短文で申し訳ないんですけども(汗)
ってか驚くほど中身がない内容ですいません(謝)
去年はバレンタインにドタバタやったから今年は大人し目にしてみました。

 

 

 

 

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[--] ようこそいらっしゃいました。お2人とも、今日はよろしくお願いします。
[01] お名前をひとりずつお願いします。
「秋原夢です!」
「秋原陸。」

[02] どちらがお姉さんですか? また、年齢差はどのくらいですか?
「私のほうがお姉さんだよー。」
「年齢差は…3歳だな。一応。」
「学年的には4歳だけどねー」
「そこんとこは今は突っ込まないでやってくれー」

[03] 容姿は似ていますか?
「似てる……かなぁ?」
「似てるとは言われるけどな。でもそれって俺が女顔ってことじゃね?納得いかない!!」

[04] 身長は何センチ差ですか?
「くっ……1年前は私のほうが大きかったのに!!」
「はっはっは!成長期をなめんなよ!!」

[05] 性格面で大きく違うところがあれば、教えて下さい。
「陸のほうが素直じゃない。」
「どの口が言うか……」

[06] ご姉弟の仲はいい方ですか?
「いいほうだよね?」
「普通だとも思うけど……」
「なに?お姉ちゃんのこと嫌いなわけ?」
「なっ!?…………んなこと言ってないじゃん。」
「うん。ならよし!」

[07] 周りからよく言われることはありますか?
「別に言われることはないよね。」
「ねぇな。普通の姉弟だし」

[08] お互いを何と呼んでいますか?
「普通に呼び捨てで陸。」
「俺は姉貴」

[09] お互いの趣味や好きなものは知っていますか?
「姉貴は剣道だろ?」
「まぁ……そりゃ好きだよ。今はできないけどさ」
「やりゃいいじゃん。」
「できないでしょ。バイトしなきゃだし」
「……姉貴もこっちこればできるじゃん……」
「……ごめんね。」

[10] お姉さんは弟さんとよく遊んであげましたか?
「遊んだ…けど陸は小さい頃体弱かったから……外連れまわして怒られたなぁ~」
「懲りずに何回も連れ出したくせに。」
「なによー。楽しんでたでしょ?」
「………まぁ。」

[11] 弟さんはお姉さんの言うことをちゃんと聞いていましたか?
「……聞いてた…よな?」
「小さいころはね。それまでちまちま私の後ろ付いてきてたのに……小学校高学年になると急に大人びちゃったさー」
「いつまでも姉貴にべったりじゃカッコつかねぇじゃん」

[12] 何か小さい頃の思い出を聞かせて下さい。
「小さい頃は志岐とどっちが私をお嫁さんにするか喧嘩してたよね~」
「い・いつの話だよ!!」
「だって小さい頃の思い出って質問だし」
「もっとマシなこと思い出してくれ!!」

[13] 昔と変わったな、と思うところはそれぞれありますか?
「陸はもっと昔は可愛かった!!」
「なんだそれ……」呆れ
「もっと『おねーちゃーん』って私の後ろ付いてきてたのに!!」
「さっきからいつの話してんだよ!!」

[14] それぞれ、「弟思いだね」「お姉さん思いだね」と言われたことはありますか?
「弟思いっていうか……軽くブラコンって言われるんだけど!」
「姉貴はホントに俺好きなー」
「そりゃ好きだよ」けろっ
「………普通に肯定すんなよ」


ちなみに陸は隠れ超シスコン。

[15] お互いの顔が頭に浮かぶ時はどんな時ですか?
「んー……どうだろ?あんまり意識してたことないけどなぁ…。でも陸のことはよく思い浮かぶからいっつも考えてんのかもね」
「……言ってるのは姉貴じゃなかったら愛の告白にでも聞こえるのに…」
「何その微妙な顔…」
「別に。俺はー………雨の時かな。」
「……なんで?」
「まぁ…いろいろと。」

[16] 2人っきりになったらどのような会話をしますか?
「そうだねぇ……お互いの近況報告とか?」
「だなぁ。」
「好きな子とかできた?」
「なっ!?…できてないよ!」

[17] 双方の誕生日にはお祝いをしたり、プレゼントをあげたりしますか?
「ケーキ焼いたりはするけどね。」
「性別違うと買うものわかんねーしな。」

[18] 連絡は細かく取っていますか?
「とったりとらなかったり?」
「お互い忙しい時とかあるしな。でも暇が出来たら取ってるか?」
「基本的にはねー。海に聞いたりもするし。」

[19] ここだけの話、相手の弱味や秘密を握っていたりしますか?
「実は……」
「どうせ何もないくせに」
「わかんないじゃん!そんなこと!!」


[20] 最後に、お2人でメッセージを交わして下さい。
「あんたは私の自慢の弟だよ!」
「……そりゃどうも。まぁ……俺も姉貴のことは嫌いじゃない。」
「嫌いなんて言った日にゃブッ飛ばすよ?」
「……………はい。」

[--] お疲れ様でした。これからも仲良く過ごして下さいね。

 



許恋本編2章のあとぐらいだと考えてください。








[--] ようこそおいで下さいました、今日はよろしくお願いします。
おぅ!


[01] まず初めに、あなたのお名前を教えて下さい。
海原海。上から書いても下から書いても一緒だぜ!

[02] 本日はあなたの失恋談をお聞かせ願いたいのですが、…ご気分は大丈夫ですか?
え!?これってそういう質問なのか!?
マジでかーーー……ってか何でそんな質問されなきゃなんねーわけ?
こういうのって傷口に砂糖とか言うんじゃね?(ちがいます。)

[03] では、あなたが思いを寄せていた相手のお名前を教えて下さい。
えー…言わなきゃダメなのかぁ?
…あーはいはい。わかりましたよ。秋原夢ですよ。

[04] あなたはその方にちゃんと告白をしてフラれたのですか? それとも、相手が恋人持ちで諦めたのでしょうか?
えー……一応恋人持ちで諦めたことになんのかな?

[05] 告白をした場合、何と言って、そしてどう言う風に断られてしまいましたか?
いや、だからしてねーって。

[06] その方と初めて会ったのはいつ、どこですか?
初めて会ったのは赤ちゃんの時らしい。覚えてねーけど。
ちゃんとお互い認識したのは剣道の道場で会ったときじゃね?

[07] その方を好きになったキッカケを教えて下さい。
って言われてもなぁ……陸に言われて気づいたから…俺も好きって気づいたのさっきだし。
キッカケとかはわかんねーかな。

[08] 一目惚れでした? それとも、日をおうごとに惹かれていきましたか?
一目惚れではねーな。日をおうごとってのも微妙だけど……

[09] その人と話したり、遊びに行ったりすることはありましたか?
そりゃ従兄妹で幼馴染だぜ?んなのしょっちゅうだよ。

[10] その人に自分の気持ちを察されていた可能性はあると思いますか?
ないな。俺ですら気付かなかったもん。それに鞠が言ってたけど夢は自分に向けられた好意には滅法鈍いらしいし。

[11] 友人や知人に、この一件を相談したことはありますか?
いや、だから俺もさっき気づいたんだって!!相談とかする前に終わったというか…

[12] その人のことを思うと、夜も眠れなかった?
試合で負けて悔しくて寝れなかったことはあるけど。これは違うか?

[13] 自分がフラれたことは誰かに話しましたか?
あー…一応陸には話したな。

[14] フラれた後は泣きましたか?
……ノーコメントで。

[15] ちなみに、フラれた時期は…?
つーかフラれたっていうかお互いに気持ちに気付いてなかったし…フラれたのか?

[16] その人からみて、自分はどのような存在だったと思いますか?
多分…大事に思ってくれてると思う。俺だって大事に思ってるからな!

[17] その人に関する物(本人から貰った物や写真)を持っていましたら教えて下さい。
えーーー…小さいころからのものを数えると覚えきれてねーよ。
あっ!でも中学全国大会に2人で出場したときはお互いにお守り渡したな!

[18] ちなみに、今でも相手を思う気持ちに変わりはありませんか? 正直にお願いします。
変わらねーよ。きっと俺にとって夢はずっと大事な存在だと思う。それがどういう立場であってもな。あいつには笑っててほしいと思うよ。

[19] この恋はあなたにとってどう言うものでしたか?
そうだなー。大事なものかな。近くにいすぎて気付けなかったけど……でも大事な思いだった。

[20] では最後に、相手の方にメッセージをお願いします。
幸せに…な。

[--] お疲れ様でした。 


お題元はこちら→ 99.jpn.org/-/ag/



背後注意!!


…というほどのもんじゃないですが、ちゅーとかしとります。

































































……と。いうわけで……好奇心に負けて作ってしまったわけなんですが……

しかし…貰ったお酒(?)は相当きつかったらしく…作ってる最中に何度か意識飛びかけたんですが……

そんな思いまでして作る自分もどうかと思うけど……

いや、だって……みんながあれだけ言うから……酔ったアイツを見てみたくなるのが人間の性ってやつでしょ?

それに……ほら。好きな人のことはどんなことでも知っておきたいでしょ?

…………何考えてんだ私。

自分にこんな乙女思考があったとは……

 

「ってことで……はい。」


「は?」

そう言って龍牙にチョコを渡す。可愛げも何もあったもんじゃない。

どうしてこう…素直になれないのか…自分の性格を恨みたくなる。。。


「何だこれ?」

知ってか知らずか龍牙はそんなセリフを発する。

「………今日。バレンタイン…でしょ。だから……一応……ね。」

は・恥ずかしい!!

世の中のカップルはこんな恥ずかしいイベントをしているのか!!

こ・こんなお菓子会社の陰謀なイベントでどうしてここまで恥ずかしい思いをしなくちゃいけないのよ!!!!

 

「??」

龍牙は一応チョコを受け取ったものの、なんだかよくわからない表情をしている。

「……で?これ何?」

 

こ・こ・こ・こいつ!!何言ってんのよ!!

まさかそのチョコの意味まで言えと!?これ以上私に羞恥プレイをしろというのか!!!

 

「な・なにって……だからバレンタイン…だって…ば。」

もう恥ずかしくて死にそうだ……


「ば……ばれん……たいん?」

ちょいんちょいんと龍牙は頭の上にクエスチョンマークを飛ばす…

も…もしかして……

「バ…バレンタイン…し…知らない……の?」

「だから…さっきからなんのこと言ってんだよ?」


こ…この常識しらずがぁぁぁぁ!!

ってか世間様がここまで騒いでるのに気付かないってどんな神経してんのよ!!

それに……

「あ・あんた……今日いろんな人からたくさんチョコもらってたでしょ!?」

「んー?そういや今日はやけに他の女からプレゼント渡されたな……あれチョコだったのか?」

「な……何で…中身…見てないの?」

「いや、そういうのもう貰わねーようにしてるしな。そういや靴箱にも何個か入ってたなー。そのままにしてきたけど。」

靴箱……なんてベタな…まだそんなことする人いたんだね。

 

 

「バレンタインっていうのはねー」

そしてまたもやどこから来たのか双子と准くんが龍牙にこそっと耳打ちしようとする。

「あ……、わぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

「え?」

「い・いい!!教えなくていい!!!」

「??」

お・教えたら……さっきの意味がわかっちゃうじゃない!!わからないんならわからないままでいい!!絶対そのほうがいい!!

 


「さっきからなんなんだよ…お前ら…」

「い・いいから!!アンタは大人しくそのチョコを受け取っておけばいいの!!」

「??」

龍牙は相変わらず今の状況がつかめてないみたいだが、とりあえずチョコを受け取って

「まぁ…よくわかんねーけど……サンキューな。」

と言ってくれた。

わ・渡せたっ!!よかった……

前々から思っていたけど…私ってつくづくこういう行事に向いてないな……

 

「じゃあ流風さん!ここで食べてください!」

「そうそうっ!早く食べて食べて!!」

「ちょ…なんでお前らが急かすんだよ!!」

「だって早くみたいし。」

「まぁ…好奇心には勝てないお年頃だしね。」

「……意味わかんねーんだけど……」

確かに……

 

 

 

 

しかし…今更だけど、本当にこんなので効くんだろうか……

いや、でも緋ぃ姉たちのお墨付きの酒だっていうのを考える侮れない気がする……


「龍ー、秋原がお前の食べるとこみたいってさ。」

龍牙と桜くんたちの言い合いを静かに見ていた准くんがいきなり言う。

そんなこと口走った覚えはないんですけどね…


「え…?」

「お前、バッカだなー。女ってのは食べ物をあげるってことは、その感想を言ってほしいもんなんだよ。秋原だってお前が食べるのを待ってんだから早く食べろよ。」

 

「ちょっと……准くん…」

「まぁまぁ。このままじゃいつまでたっても埒があかねーだろ?」

「う……でも…そんなことくらいで食べる馬鹿なんて」

 

「そうか!なら食べるぜ!!」


ここにいたよ。

 

 

言うが早いか龍牙はラッピングを外して中のチョコを1つ摘まんで食べた。

ちなみに中のチョコはトリュフ風にしてみました。

いや…王道に則って大きなハートチョコも考えはしたんだけど、思考の中で即却下だったんで…

 

 

 


「っ……ゆ・ゆめ……こ・これ……酒が…」

「あー……うん。隠し味にちょっとお酒入れたんだけど……気づいた?」


効かないんじゃないかと思ったが、ちゃんと効果があるらしい。

龍牙は少し振らつきながら近くのイスに手をかけた。

顔が赤い……ってか妙に色っぽい……

これだから無駄に顔のいい男ってのは……女の自信を奪わせる存在だ。

 

「あーーーわりぃ。これくらいの量じゃ酔うはずないんだけど……ちゃんと全部食べるからな。」

「い・いいよ。無理しなくても!!」

チョコに入れれるくらいの微量だから大丈夫だと思っていたけど……龍牙を見る限り相当きつそうだ……


「いい。食う!!」

ほとんど自棄になってるんじゃないだろうか……

 

 

 

 

 

 


×××


龍牙は宣言通りにあげたチョコを全て食べつくした。

そして今机に突っ伏してるわけだが……


「なにー?もしかして流風さん寝ちゃう派?」

「おもしろくない。ヒゲでも書いちゃおうか?」

双子たちはぷーっと頬を膨らませてペンを用意する。


「ふーん。意外だな。」

そう准くんがボソリと呟いた。

「??何が?」

「いやー、龍牙の兄ちゃんがさ、男たるもの飲んでも飲まれるな!は常識だけどもしどうしようもなく酔っちまった時のために流も鍛えてあるっつてたからさ。どんな風になるのかと思ってたんだけど…」

「普通に寝てるわね。」

「だな。」

というか…どんな風に鍛えたんだ、それは。

 


「こんにちはー。」

そんなことをしていると後ろから声がかかる。

声のほうへ振り向くと緋ぃ姉と茉珱兄が立っていた。


「こんにちは。2人でどうしたの?桜くんたちのお迎え?」

「いえいえ。もう2人はお迎えのいるような子供ではありませんよ。今日は2人にバレンタインデーのチョコを持ってきたんですよ?」

「え?」

「茉珱さんの分を作ってたら作りすぎちゃったんで……おすそ分けです。」

そう言って可愛くラッピングされた袋を差し出してくれた。

「わぁ~ありがとう!!緋ぃ姉の料理はおいしいから好きだよ!」

「………。」

何故だろう……茉珱兄からすっごく憐れむような視線を感じるんだけど……


「茉珱兄?何か??」

「いや……多分……大丈夫だ。死なない……と思う。」

一体何の話をしているんだろう……?

 

 

「あーそうだ!せっかくだし、准くんも一緒に食べようか?」

「ぇ゛……いや。俺はいらな」

「私たちだけじゃ悪いもんね。緋ぃ姉、ここで開けてもいい?」

「えぇ。構いませんよ。私も感想を聞きたいですしね?」

「んじゃ。遠慮なく~」

そう言って丁寧にラッピングを外す。

中からは一口サイズのチョコが数個入っていた。

かわいい!!

「じゃあまず准くんからどうぞ!」

そう言ってチョコを差し出す。なぜだかさっきより准くんの顔が青いような気がする……

「今回は確率は半分ですよ。頑張ってください。」

緋ぃ姉がぽそっとそんなことを言う。

さっきも思ったけど……何の話をしてるんだろうか?

 

 


「夢……」

「ん?」

 

 

 


kiss.jpg……え…なに…?

一瞬なにが起きているのかわからなかった………

 

 

 


龍牙起きたんだ……

 

 

 

 


ヒゲが書かれてないってことは寸前で起きれたんだ…よかったねー……

 

 

 

 

 

え?

 

 

 

 

 

 

何でこんな近くに龍牙の顔が?

 

 

 

 

 

 

 

は?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「~~~~~~~っ!!!??」

咄嗟にどんっと龍牙の胸を押し返す…

こいつ……今……ききききき…キスした!?し・しかも…こんな人前で!?

 

「まぁ~~あらあら。」

「……」


呑気な声夫婦の声(まぁ声を発したのは1人だけど)が耳に入る……これは…確かめなくてもバッチリ見られてた…よね。

 

カーっと体中の血液が顔に集まっていくような感覚に陥る…

 

 

「夢……真っ赤だな。かわいい。」

「は…?」

いつのまに復活したのかぼそりと耳元でささやかれた。

、と同時に、ぞくっと背中に電気のようなものが走る……


「な・何言ってんのよ!!!」

いつもの様に脇腹にストレート……決めた…………はずだったのに、その腕はいとも簡単に龍牙の手によって受け止められた。

 

「な!?」

「照れ隠しも度が過ぎると可愛くないぜ?……まぁそんな顔真っ赤にされちゃ何されても可愛いけどさ。」

だ・誰だ!?こいつ!?!?

いや……基本は龍牙なんだけど……なんか……いつもの龍牙より強気っていうか……有無を言わせない感がある。


「プレゼントとか可愛いことしてくれるしさ、しかもアルコール入りとか……なに?誘ってんの??今すぐ部屋に行く?」

「な…な・なぁ…!?」

断じて誘ってません!!!

 

「へー流風さんてお酒入るとああなるんだ。」

「へたれじゃなくなるんだね。」

「疾風さんの言ってたのはこれかー。まぁこれなら酔っても情けなくはないわな。」

「夢さんったらあんなに真っ赤になって……」

「あれくらいでか?」

「茉珱さんの基準で言わないであげてください。可愛らしい反応じゃないですか!」

 


がやがやと回りの声が聞こえる……


は・恥ずかしい!!恥ずかしすぎる!!!!!

 

 

「ん?」

「ぇ?」

龍牙は私の手に持っていたチョコに目をやった。


「なに?まだあったの??」

「ぁ…こ・これは……ちが…っ」

恥ずかしいやら緊張やらでうまく口が回らない。

「俺ばっか食べるのも悪いし……食べさせてやるよ。」

「は?」

言うが早いか龍牙は私の手元からチョコを一つとって自分の口の中に入れる……

ま、まさか……っ

 

 


私が想像した最も悪い予想通りに龍牙はまた私に口づけをして…あろうことか今食べたチョコを押し込んできた。

こんな予想は当たりたくなかった!!


 kiss2.jpg

 

「んぅ…~~っ!!」

 

 

 




私の口の中で龍牙の舌とチョコが動きまわる…

チョコが甘いんだか、この行為が甘いんだか……訳がわからなくなる

 

「っん……は…ぁっ……や・やだ……りゅぅ…が……っ」

「……ん、…何が?」

こっちは限界ギリギリなのに…龍牙は余裕たっぷりで私に聞き返してくる…悔しい…

「も…やだ……み…んな、み…てるよ……」

「見せつけてやればいいだろ?」


「やだぁ……は…ずかしぃ……よ……」

「……そんなソソる顔されたら余計止められねーて。」

「っ……そんな顔…してな…」

「まだだぜ?このチョコが全部無くなるまで……な?」

そう言って龍牙はまた1つチョコを手に取り自分の口に入れてから同じように口を寄せる……

 

 

 


も…もう……意識が朦朧としてきた……

足もガクガクしてるし…やばい…立ってられなくなるかも……


また同じように甘い味が……

 

 

 

 

甘い味が………

 

 

 

 

 

甘い………

 

 

 

 

 

 

 

ん?

 

 

 

 

 

 

なんか……

 

 

 

 

 

 

辛い……というか…苦いというか……なんとも表現しにくい味が…するんだけど……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ってかまずい!!!

kiss3.jpg


「んぐっ!?!?」




あまりの味にビクんと体が一瞬痙攣する。

 

「んーんーんー……・ん゛~~!!!!!」


恥かしいとか言っている次元ではなかったので口に入っているチョコを龍牙の口へ押し戻して、今度こそ思いっきり龍牙を突き飛ばして距離をとる

 


「っげっほ…げほげほげほ!!」


……か・海の手料理と同類…か、それ以上な味だ…


私が味覚異常になったわけではないらしく龍牙も同じように口を押さえて吐き出すのを必死に我慢しているようだ。


「あらあら。はずれだったんですねー。」

そう言って緋ぃ姉は私の背中をさすってくれた…

はずれってなんだろう…

 


「ついに夢さんも体験しちゃったんだね。」

「今まで無意識に全部かわしてたもんねー。」

「…俺、食べないでよかった…」

「…まだ余ってるぞ?」

「…遠慮します。」

 


「…というか、中々珍しいものが見れたねー?」

桜くんのセリフにドクンと心臓が跳ねる。

忘れかけていた熱がまた顔に集まってくる……

「そうだね。へたってない流風さんってなんか新鮮だった。」

「まぁ見せつけられたわけだし…いい気分ではないけど…」

「夢さんのかわいい顔も見れたしね?」

ね?と桜くんはこっちに言葉を投げかける……

 

「ぅ……あ……っ」


「夢さん?」


「~~~……っ」


「??」

 


「~~~~っ忘れてください!!!!」


そう言い残して私はその場から逃げだした…


もう当分みんなと顔合わせられない!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~おまけ~

「そういや流風さんは?」

「あー…酒やらチョコやら、いろいろ重なって今度こそダウンしてる。」

「おもしろくなーい。」

「とりあえず鬚書いとこう。」

「だね。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

×××
は…恥ずかしかった。
何がって絵が!!もうせっかくだし載せたけど…これは羞恥プレイだね…
とりあえず龍牙はお酒を飲むとヘタレじゃなくなります。ちょっとキザになる。ホストみたいな感じ。
ちなみに記憶残るタイプです。この後酔いが冷めたらあやまりに行くんじゃないかな。でも何でそこまで怒ってるのかよくわからない感じで!そのせいで余計に怒られてるんだと思うよ。



世間はチョコチョコチョコ一色なバレンタイン……

これは……私も龍牙にチョコを渡すべきなんだろうか……

 

 

 

 

 

 

 

 


「だーれだっ!」

そんな考えを悶々と繰り返していた時、いきなり視界が真っ暗になる。

「……ぇ…ちょ……なっ!?」

思わずびっくりして思いっきり後ろにいるであろう人物に肘を出す。

世間一般でいうと肘鉄だ。

完璧に入ったと思ったんだけど……難なくポスっと受け止められてしまった…

「のんのん、夢さん。ちゃんと質問に答えてよー。」

私の目を手で覆ったまま後ろの人物は呑気な声を出す。


「本当にわからない?夢さん??」

今度は前から声がする……どうやら2人いるらしい……

……というか……

「……桜くんと…菫くん?」

「はい。大正解~!」

そう言って手をパッと放すと目の前には笑顔な双子くんが立っていた。

「あ…こんにちは。ご・ごめんね…桜くんたちだと思わなかったから……つい。」

「いえいえ。まぁ当たりませんでしたし。さすがに当たったらちょっと痛そうだったから受け止めさせてもらいました。」

「……すいません。」

 

 

 

「別に桜ならくらっても平気だろ……」

「もしかしたらびっくりして目隠しはずれちゃうかもしれないでしょ!」

「あ…そぅ。」

 

 

「あの…今日はどうしたの?」

2人が私を訪ねてくるなんて珍しい…

いや、別に珍しくないんだけど…私単品のときに来るのが珍しいというか…

どうやら2人は龍牙のことが気に入ってるらしく龍牙と2人でいる時はよく姿を見せて龍牙をカラかって帰っていく。といったパターンが多い。


「今日は夢さんに聞きたいことがあったんですよー。」

「??聞きたいこと?」

「そう。この前みんなで新年会という名の飲み会したの覚えてますか?」

「……あぁ。」

そういえばしたね、そんなこと。

といっても私はジュースを飲んでからの記憶がほとんど…ってか全くないんですが……

後で聞いたんだけど、あれはお酒だったらしい……

どうも私は父譲りでお酒に弱いらしく、飲んだ後の記憶が全くないのよね……

 

「で、ですね。夢さんが酔った姿は見れたんですけど」

「え!?やっぱり私酔ってたの!?」

「そりゃ…もう。」

「桜もだろ」

「まーそうですけども。」

「で、考えてみたら流風さんが酔ってるの見たことないなーって思ったんですよ。」

「そうそう。だから酔ったらどうなるのか教えてくれません?」

 

「え………」

 

そ・そういえば……私も龍牙が酔ったとこみたことないかも……

 

「あいつは酒強ぇーぞー」


「っ!?」


いきなりの声に驚く。

「じゅ……准くん…?」

「よっ!」

いつ来たのか私の横にいる准くんが普通に会話に参加してきた。

「「こんにちはー。」」

2人はいつから気付いてたのか普通に挨拶をする……

心臓に悪い……

 


「流風さんってそんなお酒強いんですか?」

「あぁ。俺らも何回か飲みあったことあるけど…あいつだけは潰れたことないんだよなぁ。」

「へぇ~。」

「何でも兄貴に鍛えられたとかで全然酔わないんだよなぁ。結構な量飲んでんのにさぁ。」


「……というか、普通にこんな話してるけど、未成年はお酒のんじゃダメなんだからね!!」

「俺達の世界じゃもう成人してるんで。」

「ぇ…そ・そうなんだ……じゃ・じゃあいい……のかな?」

「俺も精神的には成人してるんで。」

「准くんはダメでしょ!!」

「まぁ……それはこっちに置いといて。なんでお前ら、んなこと聞くんだ?」

「んー?別に理由はないですよ。ただの興味心。ねー?」

「なー?」

そう言って双子くんたちは顔を見合わせる。

本当に仲いいなーこの2人。2人を見てるとよく弟に会いたくなってくるんだよね……


「こんなこともあろうかと!!じゃーん!!」

そう言って桜くんは液体の入った瓶を取り出した。

「なにソレ?」

「スピリタス、etcです。」

菫くんがぴしゃりと私の質問に答えてくれた。

しかし…もともとお酒に興味なんてない私がそんなことを言われてもわかる筈がない。それにエトセトラって……


「お前ら……スピリタスって…んな強い酒…」

准くんは分かっているらしく呆れたような顔をしている。

「スピリタスってそんなに強いお酒なの?」

「まー……世界一って言われてるからなぁ…なんせ度数96%だぜ?ほとんどアルコールだよ。」

「きゅ…きゅうじゅうろく……」

ビールでも数%なのに……


「そうそう。俺達も飲んだことないんですけどね。父さんと母さんが晩酌してるときに飲んでたから。」

「しかも他の強い酒とちゃんぽんになってたから……相当きついと思いますよ?」

なるほど……だからetc.なんだ……って納得してる場合じゃなくて。


「それ……飲ますの?」

さすがにかわいそうな気がするんだけど……

「まぁ…俺達も鬼じゃないんで……幸せな思いをしながら酔ってもらおうかなと思いまして。」

「??」

「もうすぐバレンタインですよね?夢さん!これ使ってチョコつくってくれません?」

「え゛……!?」

「それなら流風さんも夢さんからチョコ貰えて心残すことはないでしょう?」

「あ……いや……」


それ…私に被害が来るんじゃないだろうか……


「ねー夢さんおねがい!」

「ぅ……で・でもさ!チョコに入れるくらいの微量なら酔わないんじゃない?」

「あーその辺は大丈夫。母さんたちに少しの量でも酔えるちゃんぽん造ってもらいましたから。」

「え……そんなこと…でき」

「夢さん。深く考えちゃダメですよ。ある意味ここはパラレルワールドなんですから。そういうとこ突っ込んじゃダメです。」

「……そうだね。」

「じゃ、お願いしますねー!」

ポンと瓶を渡して双子は帰っていった。


「え…私まだ…作るとは……」


私の声が届くことはなかった………

 

ど・どうしよう………

 

 

 

×××
はい。バレンタイン話の前振りです(長い前振りとか突っ込んじゃ嫌です)
スピリタスは本当に強いお酒だそうですよ!当然飲んだことないけど!!
そしてチョコに入れる量で酔うとは思えないんですが……まぁそこは(も)見逃してください。
次回!酔った龍牙が夢を!?乞うご期待です!!




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