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「 『飲んでも飲まれるな!!2』 」
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新年会だー!!!


とか言っていつものように双子が来た。

そこまではいい・・・もう俺の大分諦めたとこがある・・・


でも・・・

でも・・・・・・・


何でまた酒を持ってくるんだよ!!!!!


当然の如く俺以外の三人は見事につぶれてしまったわけで・・・・・・

どうして弱いやつほど飲みたがるんだろう・・・

そして俺は前回と同じように3人に抱きつかれてるんだが・・・・・・

前には夢・・・後ろには桜・・・横には菫・・・・・・


どうすればいいんだ・・・

俺は何とか知恵を絞ったが俺の考えが浮かぶ前に体が絞られちまう・・・

出来れば使いたくなかった・・・使いたくなかったけど・・・この状況をどうにか出来る人って言ったらあの人たちしか思い浮かばない・・・

俺は3人の重さをずるずると引きずって受話器に手を伸ばした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


ピンポーン・・・

 


「邪魔する。」

「お邪魔しまーす。」


そう言って俺に張り付いてる双子の両親はドアから顔を出した。


「こ・こんばんは。すいません・・・いきなり呼び出したりして。」

「いえいえー。あっそうだ・・・あけましておめでとうございます。」

「あ・・・おめでとうございます。」

「あらら、これは完全に出来上がってますねー。菫まで一緒になって・・・」

少し申し訳なさそうな顔をして緋粋さんは言う。

とりあえず・・・そんな呑気に見てないでこの二人を剥がしてほしいんだけど・・・


「・・・・・・よく見ておけ。お前も酔ったらこうなるんだぞ?」

「ぇえ!?・・・・・・ここまでですか?」

「・・・」頷き。

「・・・これからはお酒を控えることにします。」

「そうしてくれ。」

 

・・・悠長に会話してないで剥がしてくれってばー!!


「あの・・・俺動けないんでお宅のお子さん達どうにかしてほしいんですけど・・・」

堪らなくなって言葉を発する。

「あぁ、すいません。」

「・・・・・・」

「茉珱さん。殴って気絶させて持って帰ろうなんて考えないでくださいね。」

「・・・・・・。」

考えていたのか・・・


「さくらちゃーん。帰りますよー?離れてください。」

桜の頬をぺしぺしと叩いて緋粋さんはそう呼びかける。


「んー・・・?あーーかぁさんだぁ~!!」

そう言って桜は俺から手を離して緋粋さんに抱きつく。

ふぅ・・・これでやっと1人からは解放された・・・


桜は嬉しそうにベタベタと緋粋さんにくっついていた。

なんか・・・分かってたけどマザコンだよなぁー・・・アイツって・・・

 


「かぁーさーん!!」

「は・はいはい。わかりましたから帰りましょうね。菫ちゃんも!」

「はーい。」

そう言って菫はさっさと俺から手を放した・・・

さっきまで何を言っても離れなかったくせに・・・こいつ実はそんなに酔ってなかったな・・・


「困ってる流風さんが面白くて・・・つい。」

いけしゃあしゃあと菫は俺に向かって微笑みそう言った。・・・こいつ何で俺の考えてることわかったんだ・・・?


「いや・・・流風さんてわかりやすいから。」

ま・またっ!?

 

 

そんなこんなで、すっかり帰宅モードに入ってる浅葱家の人たちに意識を向けていた時、耳元に手を添えられてビクっと反応した。

「っ・・・ゆ・ゆめ?」

夢は俺の首に回していた手をほどいて俺の耳をさわさわと触っている・・・

ちょ・・・今茉珱さんたちがいるからっ!!あの人らが帰ってからそういうことをしてくれ!!

この場に茉珱さんや桜たちがいるからかろうじて持っていた理性が切れそうになる・・・

 

「あの・・・夢・・・さん?」

「りゅー・・・が・・・」

ぼーっと焦点の定まっていない目が俺に向けられる・・・

うっ・・・何かエロい・・・ってかやばい・・・

「・・・・・・夢っ」

もうこのまま押し倒そうか・・・幸い一番邪魔しそうな桜は潰れてるし・・・茉珱さんたちは大人だから・・・そういうことしても見て見ぬ振りして帰ってくれるよな・・・!!

 

 

そっと夢の頬に手を添え・・・

「このばかもーん!!」

ようと思った瞬間、夢からアッパーが繰り出された・・・・・・

 

「~~~っ・・・!!」

悶絶・・・

 

ちくしょう・・・普通に油断してた・・・ってか何でこのタイミングでアッパー!?


「ってぇ・・・・な・なにするっ」

講義の声を上げようとすると夢がまたペタっと耳に触って話しだした。

「なんでー、ここに穴が空いてるの!!親に貰った体を傷つけるとは何事だぁー!もっと自分を大切にしなさい!!」

・・・・・・。


そうやら俺がピアスを開けていたのが気に入らなかったらしい・・・紛らわしいマネしやがって・・・・・・(涙)

 

 

「もーこんな不良に育てた覚えはないですよ!」

育てられた記憶もねーよ!!


「・・・・・・」


ふと視線を感じて振り向くと茉珱さんが憐れなものを見る目で俺のことを見ていた。

 

・・・・・・何かもう・・・泣きたい。

 

 

「あーー!!」

そんな俺の気持ちをお構いなしに夢は大きな声を上げてあろうことか茉珱さんに近づいていった。


「茉珱兄ぃも耳に穴空いてる!!それもたくさんー!」

そして茉珱さんの耳に俺と同じようにぺたっと手を当てる・・・・・・


何か緋粋さん・・・ちょっと泣きそうなんですけど・・・怖いんだけど・・・


「あのねー茉珱兄ぃ・・・人間って元々穴だらけじゃん?そこに穴を開ける意味がわからんよ!(by銀魂)」

「・・・・・・夢。」

「んー?」

「酔い過ぎだ。」

そう言って茉珱さんは夢にぺーいとデコピンをした。

 

「っ・・・」

声にならない声を上げて夢はヨロヨロとよろけ悶絶している。


「ゆ・ゆめっ!」

 

「躾はちゃんとしておけ。」

茉珱さんはしれっとそう言う。

いやいやいやいや・・・お宅のとこも相当だと思うんですけどね!!

棚上げって言葉を強く意識した瞬間だった。

 

 

「いっつー、もう痛いよ!茉珱兄ぃ!!全くー。」

「夢!?・・・・・・だ・大丈夫・・・なのか?」

「んー?だいじょぶだいじょぶ。咄嗟に後ろに下がったしー。」

よく瞬時にそんな判断を・・・・・酔ってると野性的になるか・・・?

「それよりー・・・なんで茉珱兄ぃは穴を開けてるんですかー?理由あるの??」

あぁ・・・もういいじゃねーか!!もうその話題は終わりでいいじゃねーか!!

酔っ払った夢は空気まで読めなくなっているらしい


「それを聞くまで今日は帰しませーん!!」

そう言って服の裾をぎゅーっと引っ張る。

い・今さり気に男が言われたいランキング上位の言葉を言ったよな!?

何で茉珱さんなんだー!!

 

「・・・・・・っ」


そしてやっぱり緋粋さんが涙ぐんでるように感じるんですが・・・・・・

ごめんなさいっ!!俺全然悪くないけどすいません!!

でも夢のそういう感情全くないと思うんで!!頼むから泣かないでください!!

 

「夢・・・・・・これはな・・・本当の姿を隠すための制御装置なんだ・・・」

「え?」

「は?」

思わず俺まで変な声が出る。


「このピアスはこの姿を保つためにつけてるんだ・・・これを外したら俺は真の姿に戻って・・・・・ここにいられなくなる・・・だからこのピアス必要なことなんだ・・・わかるな?」


・・・・・・正直全くわかりません・・・

この人は・・・

無表情で平気にウソをつくからたちが悪い・・・

まぁ多分ちゃんとした理由があるんだろうけど・・・話したくないのか、説明するのがめんどくさいのか・・・・・・まぁ後者の確立が高いが・・・


ってかこんなウソ引っかかるやつなんか・・・


「そっかー・・・そうなんだ。茉珱兄ぃがいなくなるのはさみしいもんねぇ・・・。それじゃあしょうがないね。」

ここにいたよ。

 

酒の力って恐ろしい。

 

 

 

 

 

 

×××
これは結構前に書いてたんですけどねー・・・上げるのを忘れてました。
ついでだからお正月verにしてしまいました(あは)まぁ最初を付け足しただけなんですが・・・

 

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