「で?何あげるの?」
いきなり学校帰り俺の前に現れた双子はそう言い放った。今度こいつらに主語と述語について教えてやろう……
「あれ?お前らまた来てんの?」
そう言って准平は俺の後ろから声をかけた。
「こんにちは。またって言い方酷いなぁ~」
「だってしょちゅう来てんじゃん。」
「いや~……流風さんで遊ぶのが楽しいからつい……ね。」
「あー…それはわかるわかる。龍で遊ぶのは楽しいからなぁ」
「ねー。」
今こいつら…俺でって言いやがったな……せめて俺とにしろよ!!!
「で?流風さんは夢さんに何をあげるんですか?」
「なにが?」
「だって今日3月14日ですよ?」
「だからさっきからなにがだよ!?お前らといい准平といい!!」
「あー無駄無駄。俺もさっきおんなじことコイツに聞いたけど…こいつホワイトデー知らねーんだよ。『直訳すると白い日だろ?白いって雪のことか??今日は雪振ってねーぞ??』という返答をしたぐらいだ。」
「えーー!?本当に!?」
「そういやバレンタインのときもよくわかってなさそうな顔してたよね。」
「教えようとしたら夢さんに止められちゃったしね。」
「でも、あの日は珍しいものが見れたよね~」
「へたれてない流風さんとか、流風さんたちのラブシーンとか。」
「まぁ別に見たかったわけじゃないけどね。」
別に俺だって見せたかったわけじゃねーよ。あの後夢の機嫌を直すのにどれだけ時間がかかったか……
いいじゃねーか別に…あれくらい人に見られたって!!
と言ったらますます口を聞いてくれなくなったわけだが……
「で?そのホワイトデーってなんだよ?」
とりあえずその意味のわからない単語を理解することを最優先させよう。
「んーーー…まぁ平たく言うと前に秋原からチョコ貰っただろ?あれのお返しをする日だな。」
「お返しをする日?」
「まぁそんなもんだ。」
准平……説明するのがメンドイんだな……
「そうか……じゃあ俺も夢に何かお返ししなねーといけねーのか。」
「まぁそういうことだな。」
「准平は彼女に何か返したのか?」
「ん?まぁな。マシュマロとクッキーとキャンディを。」
「なんだ?その組み合わせ……」
「この3つがホワイトデーの定番なんだよ。で、確かどのお返しをするかで返事が決まってたらしいんだけど……誰に聞いてもバラバラだから全部買った。」
「なんだそれ。」
「全部買ってりゃどれかは当たってんだろ。」
「いい加減な……」
「まだ何も買ってねーお前に言われたくねーよ。」
「そうだよなぁ……うーん何にするかな……桜、菫、お前らは何か返したのか?」
「返したよ~。俺たちはねお花。」
「花?」
「そうそう。毎年恒例なんだよね~」
花…か。
こいつらにしたらまたマトモなもんが出てきたな。
「残るものって捨てれないし。それならその時綺麗な花を贈るの。」
「ふーん。」
「流風さんも花にしたら?」
「はなぁ?」
「そうそう。バラとか。」
「はぁ?」
「バラの花束100本とかさぁ~似合うと思うよ!きっと!!」
「あー……口にバラ加えてもいいと思うよ!!」
「それ……全然褒めてねーよな……?」
「褒めてる褒めてる。そんな馬鹿っぽいの似合うなんて一種の才能だよ!!」
「褒めてねーよ!!」
俺はどうせなら…残るもんのほうがいいんだよなぁ……
ただでさえ海原とかとの思い出の品が俺より多いんだから……こういうときに残せるもん残しとかないと……
「指輪…とかじゃダメなのか?」
「え?」
「いや、女って好きだろ?そういうの?」
「まぁ…そうかもしれないけど……」
ホワイトデーの意味すらしらなかったくせに…普通いきなり指輪贈ろうとするか?
相変わらず変なとこで常識ないんだよな…龍は。
「指輪とかは……もっと違う記念日にしたらいいんじゃないか?」
「なんで?」
「なんとなく。」
「じゃあ何渡せばいいんだよ!!他に思いつかねえ!!」
「えーー…うーーん。……もうその辺の店で適当なの買えよ。。あっ!これでいいじゃん。」
そう言って近くの菓子屋に出ていたものをつかむ。
「なにこれ…?『まどもあぜるきゃんでい』?」
「こういう無難なのにしとけって。」
「えーそれじゃあおもしろくないよ!!やっぱバラがいいって!!」
「夜景の見える丘の上で渡してきなって!!」
「なんのドラマだよそれ!!」
×××
あー…いろいろ詰め込もうとして出来なかった結果な作品です。
一応ホワイトデーの話なはずなんですけどね。
龍は何返したんでしょうね。とりあえずみんなの意見足して『まどもあぜるきゃんでい』にバラつけて送ったらいいんじゃね?(ぉい)
ちなみに『まどもあぜるきゃんでい』は本当にあるんですよ!旅行先で見つけました。